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国宝待庵の原寸大復元茶室秘話

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国宝・待庵 原寸大復元茶室の秘話

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  国宝・待庵原寸大復元茶室製作の苦労話

知らせ

 妙喜庵の国宝の茶室「待庵(たいあん)」は、日本最古の茶室の建造物であり、千利休のよって建てられたと信じうる唯一の茶室であるからが故の国宝指定建物です。その待庵を、できる限り詳細な復元を、宮大工としての経験と技術を生かしことで成し遂げました。
 妙喜庵の茶室「国宝待庵」は、現在、見学ははがきでの予約が必要となっており、実際、躙り口(にじりぐち)から、茶室内を覗く程度(サイトによっては、今はそれも禁止されている情報もあります)とのことで、茶を楽しむなどは論外です。千利休の「わび、さび」を感じるなどほど遠いのもです。「国宝待庵」の復元の目的は、多くの方に、2畳の茶室の広さを感じることで、利休の知恵を感じ取っていただくことです。

 待庵は、躙り口(にじりぐち)(殆どが茶室の隅に設けられ床に向かって正面の客人の出入口)の設けられた小間の茶室(四畳半以下の茶室)の原型であり、数奇屋(茶室、勝手、水屋などが備わった別棟の茶室)の原型とされている。すなわち千利休が茶室というものの型を想像から現実化させた作品とも言えるのではなでしょうか?
 NHK大河ドラマ「軍師官兵衛」と利休は屋敷が隣接し、官兵衛は己の理想とする茶の作法を書き残しており「我流ではなく利休流」と記しています。まさに、当時四畳半の広さが常識であった茶室を二畳の小間とし、極限まで無駄をそぎ落した中に、「素朴な美意識」を見出すわび茶が、「利休流」の原点であり、こだわりであったと思われます。狭間な空間で、主人と客人が椀の茶をはさみ向かい合う。茶の世界を追求した利休の結論であり、それこそが「待庵」であると思います。

 
構想→企画→図面起こし→製作の過程で常に「千利休」さんが、常識では図れない難題を突き付けてきていた実感が存在していた。これは、こだわり貫いた茶室という空間が必要という利休の強い意志が当時の大工にも圧し掛かっていたと想像できます。

 待庵の茶室は、二畳の狭小の空間小間であった。利休はこの空間をいかに広く、客人の位置から見せる工夫と、「わび、さび」の演出にこだわりを見せている。以下、待庵の特徴と復元に際してのこだわりを記載しました。
  客人に圧迫感をあたえないための、利休のこだわりが待庵には随所に現れています。
一、狭い床の、隅、天井とも柱や廻り縁が壁で塗りこめ広さを演出し、且つ、床に中国大陸から渡来した豪華な茶道具に代わり、簡素な掛け軸や竹筒の花入れを掛けた。ただし高さが低いため、通常の掛け軸は掛りませんでした。
一、待庵の天井は、僅か二畳の大きさであるにも拘らず、3つの平面を持っています。これは、躙り口から入った客人に少しでも圧迫感を与えない工夫です。
一、躙り口側の連子窓は、躙り口から離れるにしたがい、寸法を微妙に広げている。客人からの奥を広げることによる圧迫感の回避のひとつと思われます。


 待庵は至る所に建材として竹が使用されています。平天井の竿縁、化粧屋根裏の垂木、障子の桟などにも竹が使用されている。これら竹と下地窓(土壁の一部を塗り残し、竹や葭で格子状に組んだ下地の小舞と呼ばれる窓で、利休が田舎家の塗りさしの窓を見て、風炉先窓にあけたのが始まりと云われる)待庵は小舞には、皮付きの葭が使われています。
躙り口
  客人の出入口 躙り口 陶芸ギャラリー喫茶「北風茶房」常設写真
   
  躙り口の正面に床が設けてあります
 待庵の天井の高さも180センチ。大人では、天井に頭がついてしまいそうな高さで、寸法を聞くと窮屈そうですが、実際茶室入るとそうでもありません。その理由は、まず窓がある事。利休は初めて茶室に窓を造り、木漏れ日のような光を室内に取り込みました。木漏れ日が二畳の畳に浮かびあげる光影も「わび茶」に貢献しています。また、床の間の突き当たりの柱を壁で塗り込め圧迫感を和らげています。炉の隅の柱も壁を塗り回して隠しているが、こちらは、炉と畳縁の間に、小板が無いことから、炉の熱から隅柱を保護するためと思われます。


 柱や廻り縁が見えないように土で塗られた室床(むろどこ)になっています
 
赤:床の間前は床の間の格を示して平天井
黄:炉のある点前座側は床の間前の平天井と直行する平天井
青:躙り口側は、入って右壁側から中央へと高くなる掛け込の化粧屋根裏

この掛け込み天井は、躙り口から入った客人に圧迫感を抱かせないための最大の細工です。中央に渡された桁材の一方は床柱が支え、手前座と客座の掛けこみ天井の境をも分けています。したがいまして、待庵は、手前座と客座の境に、床柱と複雑な天井を分ける桁材が、二畳の空間を中央で分け、その生前さ整然さが、複雑な天井の煩わしさを感じさせないばかりか、圧迫感さえも与えない要因となっています。
 国宝・待庵 復元におけるこだわり /難点の克服 ----
構想    :  3年

図面起こし :  3ヶ月

製作    : 10ヶ月
寸法は、文献などの建築家が残した数字をまずは基に図面起こしをしましたが、不合点が多く、雑誌などからの待庵の写真から寸法を拾うことにより、「利休流」の考えが自ずと理解できる点があり、その大工の常識との乖離に驚くとともに、利休のエゴを実感でき、感心し、構造的「わびさび」が国宝としての価値あるとも思いました。
 床框は桐材で、3つの節がある 復元茶室も同じ位置に節があるものを、長野の山中にて探し使用しました。左が「国宝待庵」で右が復元茶室です。
   小舞の皮付きの葭は、3年乾燥し使いました。




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